モデリングに明け暮れた幸せな日々

〇まずは自己紹介的なもの
Vket4でサブモデラーを担当させていただきました、倭文と申します。
よく、「なんて読むん?」と聞かれるのですが、読みは「しとり」です。意味は、ちょっと調べればわかりますが完全な名前負けですハイ。

さて、Vket4で私が作ったものを、制作中の画像と共にご紹介しておきます。

◆ワールドエンド・ユートピアの蜘蛛型戦車
右上にあるのが提示されたデザイン案


保安部品や人が登る為の梯子の追加等、コクリコさんらしい兵器へのこだわりが見えます。



◆ミラビリスのコンパニオンロボ(タマゴ型/飛行型の2種)
制作初期段階。腕を収納する動作が追加されたらどうしようと戦々恐々しながら作ってた記憶がw


最終段階。細かいディテールはかなり好き勝手に追加させていただきました。


通称逆パンツちゃんの初期段階。このあたりで細かいディテールを質問したら答えてくれたのがキナママさんで、「うぇぇ!!!??? ぇ? これデザインしたのキナママさんなの? キナママさんデザインのモデルをモデリングしてるの私!???」とパニックになってましたw


スピーカーの細かい質感はSPに頼りまくりでしたw



◆パラリアルトーキョーのランドマーク3種
・六本木ヒルズ森タワー
制作予定のランドマーク一覧に六本木ヒルズ見つけた時は迷わず飛びつきました。新海誠フリークの私としては、天気の子に登場するこのビルにはすごく思い入れがあるのですw


・ラジオ会館
とにかく資料が少なくて大変でしたw 窓枠の凹凸や看板のネオン管、看板の立体文字まで、出来る限り再現したつもりです。


・渋谷スクランブルスクエア&渋谷ストリーム
これも資料少なくて困りました。田舎者なので(笑)当然実物なんて見たこともないです。最近できたばかりなのか、ネットで探した画像も工事中のものが多くて細かい造形を把握するのが大変でした(汗)



◆企業ブース-日本hp
初期段階の背面。この背面のメッシュ部分、結構大変でしたw


実は最終段階直前まで、ガンダムは実サイズではなく、造形が見えやすいようにかなり小さめのサイズで配置されていました。



◆企業ブース-パナソニック
SPで外殻のテクスチャを制作しているところ。今回制作したものの中で一番悩んだのがこのパナソニックのブースでした。その甲斐あって出来上がりにはかなり満足しています。


最終段階で、Unity上とVRChat上でガラスの質感に結構な差があって苦労した記憶があります。


…ん? なんか…仕事量が他の人と比べて少なくない? 大丈夫?
私、ちゃんとサブモデラーとしての仕事まっとうできてる?(汗


〇クオリティアップの為に気を付けたこと
気を取り直して、せっかく文章として残るのでなにかお役にたてそうな情報はないかなと悩んだのですが…
作ったものを見るとわかる通り、私の技能はかなりモデリングに偏ってまして、ギミック的なこととか、シェーダーとか、ナニソレオイシイノ?って人間なものですから、「ただひたすら頑張って作る」以外に大した能力は持ち合わせていません。
その為、ここから書くことはそれほど目新しいことでもないとは思いますが、一応、最後の仕上げの部分で使った、ちょっとだけ仕上がりのクオリティを底上げしてくれた方法を書いておきます。

まずひとつめ。私の制作工程は
・Blenderでモデリング
・SP(SubstancePainter)をメインにして各種テクスチャ作成
・Unityで仕上げ
というある種オーソドックスな流れになります。

SPを使ってテクスチャ作成した際、最後にテクスチャセットとして書き出した数種類のテクスチャ画像をそのまま使うのではなく、diffuse用画像の代わりに、SPから別途書き出した2D-View画像を使用しています。
これはSP上でレンダリングした画像をそのまま2Dテクスチャとして吐き出してくれる機能で、通常のdiffuseテクスチャと比べるとかなりディテールアップされます。
手法としてはこれだけですが、Unity、VRChat等の簡易的なリアルタイムレンダリングしかできない環境ではわかりやすくクオリティアップしてくれます。
タマゴロボの通常のDiffuse画像


こちらは同じタマゴロボの2D View画像




そしてふたつめですが、これはパラリアルトーキョーの各種ランドマーク制作中に思いついた、特に遠景用のローポリ建築物に有効そうな手法です。

元々、森タワー等を作るときには、Adobeイラストレーターを使ってdiffuse用テクスチャや白黒のハイトマップ等を作ってSP上で組み合わせていたんですが、建築物みたいな直線的な造形の多いモデルになると、ノーマルマップを用いた影の付き方が柔らかすぎてカッチリした凹凸が出にくいのが不満でした。
そこで、「SPの2D Viewみたいに、最初からdiffuse用の画像にカッチリした凹凸の影が入ってたらいいんじゃない?」と思いつきまして。
diffuse画像を作ってたイラレ上で、各パーツの凹凸にあわせて薄く、ドロップシャドウを入れてみました。

渋谷ストリームのテクスチャの一部(ドロップシャドウなし)


渋谷ストリームのテクスチャの一部(ドロップシャドウあり)


そうすると、窓などの細かい直線的な造形がしっかり浮き出てくれるようになりました。あまり強く影色を出し過ぎると3Dにした時にすごく不自然に見えるので、ちょっと抑え気味にしておくのがコツでしょうか。


〇Vket4が終わって
スタッフとしてVketに参加した経験をひとことで表すなら、『ひたすら幸せな日々』でしょうか。

私にとっては周り中が神様だらけなので、理解できないなりに他の人の動きを見てるだけでも勉強になりました。
レベルの違いを見せつけられる日々でしたが、「うわぁ…このレベルの人たちにこんな初歩的なこと聞いていいのか?」と思いつつ質問をあげると、しっかりと丁寧に教えていただけましたし、手に負えない部分は素直に言えばカバーしてもらえました。

そしてなにより単純に楽しい。
皆さん大人な方々なので、「やるべきことはしっかりやる」という責任感もしっかり持ったまま、どことなく、学園祭前日のようなお祭り前のウキウキ感もあったりして、すごく充実した日々を過ごせました。

ホント楽しかった!! ありがとうございました~♪