βテスターと隠しギミックの話

■はじめに

こんにちは。なまのなまこです。
技術班のVRCギミック担当としてVket4から参加し、いくつかのワールドギミックを作りました。
今回は内側から見たVketとして、βテスターさんについてと自分が作ったギミックの話をします。




■βテスター

Vketにはβテスターというチームがいます。
その名の通りVket4のワールドに不具合がないかをテストするのが活動内容で
Twitterで募集を行いボランティアとして参加していただいています。
(ちなみにVket3ではあらさがし隊という名前でした。)

     
Twitterの募集画像




私たちがワールドから転落したりコライダーに埋まったりすることもなく、ブースのペデスタルでちゃんと着替えることができる。
普通のワールドなら当たり前のことですが、1400ブースもの出展があり、複数人でワールドを作るVketでは
どこに不具合が隠れているのか本当に見つけにくいものです、、
制作を進めながらワールドの細かいところまでチェックするのは難しいため
たくさんの人に協力していただく公募という形でチームを編成しています。


βテスターはVRCの中で各ワールドを隅々まで歩き回り、issue(改善点)としてリストアップしていきます。(Unityは不要です)
今回期間中に報告されたissueはトータルで350件
ヒントのない状態にもかかわらず、ミラビリスのゲート開放条件まで把握していた人もいて
その徹底ぶりに驚きました。

issue上げ、修正後の確認、コメントでのやり取りなど ひとつひとつ迅速かつ丁寧な対応を入れていただいたおかげで
壮大なワールド規模にもかかわらずほとんどのissueを解決できています。
Vketワールドの高いクオリティーはβテスターの存在なくしてはなしえないものでした。


     
Vketを支えてくれたβテスターの皆様



Vketのワールドを先に見れてお得な考えもあると思うのですが、事前に情報流出はできません。
今回スタッフをしてわかったんですが面白いものを見つけてもフレンドに共有できない、
開催されてから一緒に行ってもすでに経験済みというのはすこしさみしかったです。
それでもVketをいいものにしようとしてくれるβテスターさんの献身には頭が上がりません。

逆にβテスターだけの特権に、Vketのワールド制作過程を見ることができるというのがあります。
つよつよクリエイター達の手でワールドがどんどんブラッシュアップされていく様はワールド好きな人にはきっとたまらないはず。
ミラビリスにネオンが追加された時の感動とか、、



次回以降のVketでもβテスターの募集は続くはずです。
グローバル化を打ち出したVketはこれからも成長していくでしょう。
βテスターに少しでも興味のある人、VRの世界を広げていきたいと思っている人、
是非次回のVketを一緒に作っていきましょう!


~おまけ~ スタッフがなごんだおもしろissue
     
実際は仕様でした。みんなも串焼き屋さんになろうぜ!!!
 
 






■隠しギミック-ふたつの門-

Vket4には隠しギミックとして阿頼屋敷とミラビリスに門があります。
構造は非常に簡単でほぼ同じ内部処理なのですが、微妙な差異によって来場者の反応がまったく違ったのが面白かったのでその感想を書きます。
(今思うとなんの疑問もなくほぼ同じものを2個作ってたのはどうなんだろうとも、、)


ふたつの門の差異は
・ヒントの有無
・同期
です。

阿良屋敷は条件を満たしていく過程にヒントとして反応がありますが、ミラビリスは内部だけで処理をします。

同期については阿良屋敷がローカル、ミラビリスがグローバルで処理をしています。
つまり、
阿良屋敷:来場者それぞれに条件判定があり、満たした人だけ門が開く
ミラビリス:ワールド全体で条件を共有していて、満たした場合後からワールドに入った人含めて全員門が開く
ということです。



開催後Twitterの反応を見ていたところ、阿良屋敷は早い段階から開放のツイートがあり来場者同士で情報共有があったり。
反面ミラビリスは「門の前にいたら勝手に開いた」というのが1件あっただけであとは空を飛んでゲートを突破した人がいるくらいでした。


状況が変わったのは開催3日目、リーチャ隊長の漫画でゲート開放が取り上げられたことでミラビリスのゲートも開くことが一気に周知されました。
該当のツイート
メインモデラーの二月さんがすでにゲート開放の存在をツイートしていたので、完全に隠しておくものではないと考えて
作ったよツイートをかぶせることでギミックが存在することを正式に肯定しました。
スタッフ側からのコメントがなかった場合どういう広がり方をしたのかも少し気になっています。


その後攻略ツイートがされるようになり、いろいろな解放条件考察がされつつも
Vket期間終盤には正解が見つかるようになっていました。
複数人でワールドに入るとそれぞれの人がばらばらに条件を満たすので、個人視点では解放条件を見つける難易度が高くなります。
そこまで予想して作ってはいないですが期間に対する難易度がちょうどいい形になって安心しました。



阿良屋敷の門には「条件を満たした人が門に消えていくのがエモい」という感想がありました。
見えるものが同じものではないというのは「不思議なことが起こる」阿良屋敷では「自然なこと」だったようです。
ギミック制作の上で同期は常に乗り越えなくてはいけない壁であり
できることはつい実装したくなってしまうのですが、それが体験にどうつながるかは別ですね。



もちろんどちらのギミックがよかったということではないです。
微妙な違いで反応が大きく変わるということが、最大規模のイベントで感じられて面白かったです。
ギミック制作者として貴重な経験でした。

開催期間中楽しんでくれているツイートをそれはたくさん見ることができました。
ごく一部ではありましたがVket4に制作側としてかかわることができてよかったです。
出展者・来場者の皆さん本当にありがとうございました!



おしまい